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コンプレッサの運転制御の種類

圧力開閉・インバータ・アンローダ・ファインデュアルなど、コンプレッサの運転制御方式について理解することができます。

安全弁制御

・吐出空気量の少ない簡易形のコンプレッサに採用されています。
・吐出圧力が設定上限圧力になると、安全弁が開いて圧縮空気が大気中に放気され、コンプレッサは運転されたままですが、設定上限圧力以上に圧力が上がらないようになっています。

アンローダ制御(アンロード制御)

  • モータと圧縮機は運転状態にありますが、何らかの機械的な制御によって動力を軽減し(空回りのような状態にし)、省エネ性を高めています。
  • レシプロ機の場合、空気タンク内の圧力が上限の設定圧力になると、自動的にアンローダという部品が作動し、吸込み弁板を押し開き空運転にします。(吸込み弁板が常に開放状態のため、ピストンが上下しても吸込み口から吸っては吸込み口から吐き戻す、圧力が上がらない状態となる)
    アンロード運転中は圧力が上がらないため、圧力は徐々に低下し、下限の設定圧力になるとアンローダは作動し、吸込み弁板の押し下げを止めて圧縮運転に戻ります。
    空気を連続的に使用する場合に多く用いられ、塗装用のコンプレッサとしては主にこの方式が使われます。
  • アンローダの作動はエア圧とバネの力による機械的な制御のため、防爆仕様にも採用されています。
  • 当社製のエンジン搭載型のコンプレッサはすべてアンローダ制御です。
  • スクリューコンプレッサやクローコンプレッサに採用されているロード・アンロード制御は、負荷を軽減しながら運転を継続するという意味は変わりませんが、機械的な制御方法(吸込み弁板を開放する、アンローダが作動する など)は大きく異なります。

圧力開閉制御

  • 空気を断続的に使用する場合に用いられ、タイヤ充填エアリフトおよび機械工具の作動・制御など、構造が単純でまた省エネ性も高いため、多くのコンプレッサに採用されている制御方式です。
  • 空気タンク内の圧力が上限の設定圧力になると、圧力開閉器が働き、電路を遮断し、モータの電源を切ってコンプレッサを自動的に停止させます。
    そして圧縮空気が使用されるなどして圧力が低下し、空気タンク内が下限の設定圧力になると、電路が繋がり、再び電源が入ってモータが回転し、コンプレッサは圧縮を始めます。
  • 圧力開閉器の作動は、バネの力による機械的な制御・構造であり、設定上限エア圧になるとバネの力が負けて接点が開放し、設定下限エア圧になるとバネの力がエア圧に勝ち、電路を繋ぎます。
    圧力開閉器は主にレシプロ機に採用されています。
  • 基板を搭載している機種で圧力開閉(圧力値に応じてON/OFFする)制御をしているものは、圧力開閉器を使用しておらず、圧力センサによって圧力を検知し、制御している場合が多いです。
TLP110EF-14
TLP37EF-10

マニュアルデュアル制御

  • コンプレッサの発停頻度(始動・停止の頻度)に合わせてアンロ-ド制御と圧力開閉制御を手動で選択できるものです。
  • コンプレッサの発停頻度が多くなると、モ-タ始動時の発熱や電磁開閉器の接点寿命の低下などが発生します。
    モータの始動時は定格電流の5倍~10倍の電流が瞬間的に流れるため、電気機器への負担が大きいです。
  • 空気使用量が多く、頻繁な始動・停止(1分間に1回以上の始動すれば頻繁といえる)の場合、切替スイッチを自動運転(圧力開閉制御)から連続運転(アンローダ制御)に切り替えてください。
  • お使いのコンプレッサがマニュアルデュアル制御を搭載しているかは、取扱説明書をご参照ください。

ファインデュアル制御

  • エア圧力値に応じたロード・アンロード運転制御(負荷運転・無負荷運転)をベースに、アンロードが長く継続する場合はコンピュータが自動判断し、モータを停止させます。
  • また、アンロード運転中は吸込み絞り弁の開度を0%(全閉)にし、背圧(オイルタンク内圧力)を低下させ、軸動力を低減します。アンロード運転中の消費電力を最小限にできます。

インバータ制御

  • 負荷に応じて、インバータがモータの回転数をコントロールし、目標圧力を±0.01MPaの範囲で圧力が一定になるよう制御します。
    負荷率が40%~70%の時に大幅な省エネ効果が期待できます。

吸込み絞り弁制御

  • 規定の吐出圧力を超えるとその差圧に応じて圧縮機の吸込口を絞り、吸込圧力を負圧とし吸込圧力の真空度を自動制御して吐出空気量を制御する方式です
    まったく空気を消費しない時でも、全負荷時の70~75%程度の電力を消費するため、常時、全負荷に近い領域でないと、省エネルギー面からは、たいへん不利となる。ダイアフラム方式とピストン方式があります。