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スクロールコンプレッサの原理

スクロールコンプレッサとは

 スクロールコンプレッサは、固定した渦巻き体と180°ずれた旋回運動する渦巻き体によって圧縮室が構成されています。 下記図のように旋回する渦巻き体によって、圧縮室の容積が内側に向かうにつれ小さくなり気体を圧縮していきます。
 スクロールコンプレッサは、気体の吸気・圧縮・吐出を連続的に行なうため、トルクの変動が少なく、駆動式部品は旋回もしくは回転運動のみを行うため、結果として理論的な、動バランスを完全にとることができ、運転中の振動が少ないことが特徴としてあげられます。(動バランスとは、旋回や回転によって発生する回転軸に対しての質量の偏りのことをいい、この偏りはカウンターウエイトによって相殺することができます。)

スクロールコンプレッサの圧縮原理

スクロールコンプレッサの特徴

 スクロールコンプレッサは、中心に向かって連続的に圧縮されるため、気体を制御する弁が必要なく、弁の開閉による騒音が発生しないため静音性に優れ、また、0.75kW から7.5kW クラスでは、比較的効率がよく、これを利用して5.5kW~30kWクラスのスクロールコンプレッサは、複数の圧縮機を搭載した複数台搭載式を採用しております。(複数台搭載式とは、複数の圧縮機本体によって一つの圧縮機を構成する方法で、圧縮機の負荷が低いときに、一部の圧縮機を停止することが出来るため省エネ性に優れています。また、停止する圧縮機をローテーションすることで、圧縮機本体一台あたりの運転時間を少なくすることが出来るため高寿命化が期待でき、圧縮機の一部が故障した場合には、ほかの圧縮機本体でバックアップ運転をすることが出来るので、圧縮空気を使用する工場ラインへの影響を最小限にすることが出来ます。)

 一方、スクロールコンプレッサは、圧縮室のシール部分となる渦巻き体同士の隙間を極めて小さくする必要があり、高い加工・組立精度が必要になります。また遠心力や圧縮気体による応力によって渦巻き体が接触する恐れがあるため、渦巻き体には強度が必要になり、渦巻きの中心に行くにつれて圧力が高くなるため、中心部に熱が溜まりやすく、冷却方法に工夫が必要な機構となります。

複数台搭載スクロールコンプレッサ

アネスト岩田の‛オイルフリー’スクロールコンプレッサとは

オイルフリースクロールコンプレッサは、圧縮室とベアリンクが完全に分かれた構造になっているため、コンプレッサに異常が発生した場合でも、二次側に油分が行くリスクが限りなく低いコンプレッサです。また、ベルト駆動のためギアオイルなども使用していないため、よりクリーンなエアを供給します。
オイルによるシール効果がなく、接触部では、シール材の摩耗、非接触のラップ側面部では、隙間からの漏れや髪の毛一本分程度の隙間の間隔で旋回運動を保つためのクリアランス管理等が課題となります。 アネスト岩田では、1991年にこれら課題を克服し世界で初めてオイルフリースクロールコンプレッサの製品化を実現しました。オイルフリースクロールの特徴である、省エネやバックアップ機能、低騒音・低振動、クリーンエアなどの付加価値が評価され、おかげさまで世界中の数多くのお客様へご愛好いただいております。更にご満足いただけるよう進化し続けるよう、邁進していきます。

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