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部品の役割と不具合(クローコンプレッサ)

自主点検

毎日の点検を推奨します。
制御動作の確認、エレクトロニコンの運転データの確認、電子ドレンバルブのドレン排出確認、オイル量の点検を実施してください。

ドライヤ付き機種の場合はドライヤの電子ドレンバルブのドレン排出も確認してください。

  • ドレンが溜まっていると二次側に水が回り込んだり、配管が錆びたりする原因になります。
  • オイルが急激に減った時は内部でオイル漏れが起きている可能性があります。

定期メンテナンス

半年ごとの定期メンテナンスを推奨します。

  • コンプレッサ内部のシール部品は運転時間が経過するにつれて摩耗します。摩耗したまま使用し続けるとオイル漏れや金属部品の損傷の原因になりますので、定期的に交換しましょう。

<参考>FRL-220BD定期点検整備基準表

△・・・点検・清掃(異常時交換) 〇・・・交換

交換基準
交換部品名 半年 1年
8000hr
2年
16000hr
3年
24000hr
4年
32000hr
5年
40000hr
8年
64000hr
コンプレッサ内部清掃
配管/継手類 漏れ、緩み点検
電装品/配線 緩み確認・増締
オイルミストキャッチャー フィルタ交換(半年ごと)
エレクトロニコン表示・動作テスト(異常がなくとも8年を目安に交換)
吸込みフィルタ清掃 エレメント交換(1年ごと)
オイル全量交換(1年ごと)
オイルフィルタ(1年ごと)
各部ボルト類 緩み点検
吸込み閉鎖弁 メンブレン・ダイアフラム交換(1年ごと)
吸込み閉鎖弁シャフト(1年ごと)
放気サイレンサ(1年ごと)
圧力センサ 動作確認
油圧センサ 動作確認
サーマルリレー 動作確認
サーキットブレーカ 動作確認
安全弁 動作確認
電磁接触器 接点点検
コンタクトブロック 接点点検
インタークーラ電子ドレンバルブ内部清掃・内部部品交換(1年ごと)
アフタークーラ電子ドレンバルブ内部清掃・内部部品交換(2年ごと)
クーラ 冷却フィン清掃
クーラ 内部清掃・防振ゴム類点検
吸込み閉鎖弁 バルブ/スプリング類 点検交換(2年ごと)
吸込み閉鎖弁 ネジ付きロッド(2年ごと)
逆止弁 動作確認・バルブ類交換(2年ごと)
カップリングエレメント変形確認・交換(2年ごと)
冷却ファン清掃・振動測定 ファン軸受け交換(2年ごと)
電磁弁(制御)(2年ごと)
電磁弁(オイルミストキャッチャ)点検・清掃、交換(4年ごと)
オイルホース/制御ホース 漏れ確認(※3~5年を目安に交換) ◯※
オイルシール漏れ確認・シールリング類交換(4年ごと)
コンプレッサモータ 絶縁抵抗測定
コンプレッサモータ内部清掃・軸受交換(3年ごと)
コンプレッサモータ防振ゴム 点検交換(4年ごと)
ギアケーシング廻り 駆動、従動ギア点検
オイルポンプ交換/駆動軸軸受交換/防振ゴム交換(4年ごと)
圧縮機本体 SPM測定・交換(5年ごと)
電子ドレンバルブ 内部清掃・バルブ類交換(ドライヤ関連部品)
コンデンサフィン 冷却フィン清掃(ドライヤ関連部品)
コンデンサファン 作動確認・交換(ドライヤ関連部品)
冷凍機 作動確認(ドライヤ関連部品)
配管 漏れ確認(ドライヤ関連部品)
ファンコントロールスイッチ 作動確認(ドライヤ関連部品)
温度センサ 作動確認(ドライヤ関連部品)
  • 点検期間は保証期間ではありません。
  • お買上日から1年間を保証期間とします。ただし圧縮機本体のみ2年間とします。
  • 定期点検基準の点検期間は、年間稼働時間を8,000時間としています。
  • 据え付け場所の環境や使用条件などにより、標準よりも短期間での点検が必要になる場合があります。過酷な条件で使用される場合は、点検期間を早めて下さい。

クローコンプレッサで点検する部品の役割と不具合

ブリーザーキット

クロー本体を回転させているギアの入ったケース(ギアケーシング)の排気のための部品のセットです。ギアケーシングには本体の圧縮室から少量のエアが逃げてくる構造になっているため、排気が必要です。OMCフィルタキット・フィルタキット・Oリングなどで構成されています。

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OMCフィルタキット

ブリーザーキットに含まれている部品で、OMCはオイルミストキャッチャーの略です。ギアケーシングからの排気に油分が混ざらないようろ過し、潤滑油を回収してギアケーシングに戻します。クローコンプレッサの圧縮室には潤滑油が使われていませんが、ギアには潤滑油が使われています。オイルミストがろ過されずに排気が行なわれると、ギアケーシング周辺がオイルで汚れてしまいます。

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フィルタキット

オイルミストキャッチャーは圧縮エアを使って作動しています。ブリーザーキットに含まれるフィルタは、オイルミストキャッチャーを作動させるエアの不純物をろ過する役目を担っています。

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OMC用電磁弁

モーターが停まっている時にオイルミストキャッチャーを流れる空気を遮断し、圧縮エアの無駄な大気開放を防ぐ役割をしています。開放されるエアは毎分100ℓ程度になるため、OMC用電磁弁が正常に作動していないと大きなエネルギーの無駄が生じます。

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吸込フィルタエレメント

吸込フィルタはコンプレッサが周囲から吸い込んだ空気の不純物をろ過するフィルタです。エレメントは定期的に清掃や交換をする必要があります。吸い込みフィルタが詰まっているとコンプレッサが空気を取り入れられず、圧縮の効率が悪くなります。

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オイルフィルタ

ギアケーシングから油圧系統へ戻すギアオイルの不純物をろ過するフィルタです。戻ってきたオイルは再びギアや軸受に噴射されます。オイルフィルタが目詰まりしていると油圧が上がらなくなり、潤滑の性能が低下します。

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吸込閉鎖弁キット

吸込閉鎖弁はアンローダの中の部品です。負荷時は弁が開いて外の空気を取り入れ、無負荷時は弁が閉じます。弁が劣化して破損するとロードアンロードの切り替えができなくなってアンロードしたままになり、空気が圧縮できなくなります。

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電子ドレンバルブキット(インタークーラ)

インタークーラ(一段目と二段目の圧縮機の中間に設置された冷却器)で分離した水分を排出します。バルブの破損等で水分が排出できないと圧縮機本体に水分が混入し、稀にですがドレンアタックと言って本体が壊れる原因になります。

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電子ドレンバルブキット(アフタークーラ)

アフタークーラ(二段目の圧縮機の後に設置された冷却器)で分離した水分を排出します。バルブの破損等で水分が排出出来ないとエアに水分が混ざり、二次側に水が出る原因になります。

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LP圧縮機本体

HP圧縮機本体は二段目の圧縮機です。LP圧縮機からインタークーラを通って流れてきた圧縮空気を更に圧縮します。

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HP圧縮機本体

クローコンプレッサは二段圧縮です。LP圧縮機本体は吸込フィルタから入ってきた空気を最初に圧縮します。

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チェックバルブキット

チェックバルブは空気が一方向にしか流れない逆止弁です。HP圧縮機本体とアフタークーラの間に取り付けられ、無負荷運転時に圧縮空気が逆流するのを防いでいます。逆止弁の破損等で圧縮空気が逆流すると、無負荷運転時にHP圧縮機本体と逆止弁間の圧力(背圧)が下がらなくなるため、無負荷運転時に無駄な電力を使ってしまいます。

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カップリングエレメント

カップリングは圧縮機本体と電動機のシャフトを繋ぐ部品で、電動機の振動や熱が圧縮機に伝わるのを防いでいます。使っているうちに摩耗してくるため、定期的に交換が必要になります。カップリングが消耗したまま使っているとゴム部品が破損し、コンプレッサの突然の停止の原因になります。

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ドライブシャフトシールキット

ドライブシャフト(電動機の軸)付近のシール部品のセットです。Oリングなどのシール部品は消耗品です。摩耗したまま使い続けるとギアケーシングの隙間からオイルが漏れる原因になります。

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ドライブシャフトベアリングキット

ドライブシャフト(電動機の軸)付近のベアリング(軸受け)部品のセットです。ベアリングは使ううちに摩耗しますので、定期的に交換が必要になります。傷んだまま使い続けると異音や異常振動が発生します。

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オイルポンプキット

オイルポンプはギアオイルを潤滑させているポンプです。ポンプの歯車が摩耗するため定期的な交換が必要になります。ポンプが正常に稼働していないと油圧が上がらなくなり、コンプレッサが停止する原因になります。

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電磁弁

アンローダに取り付けられている電磁弁は、吐出圧力に応じて空気の流れを切り替えて吸込閉鎖弁を開閉し、コンプレッサの負荷・無負荷を制御します。

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FRオイル

コンプレッサ本体を回転させているギアの潤滑油です。あまり空気に触れないため劣化の速度はゆっくりですが、定期的な交換が必要です。コンプレッサに異常が無ければほとんど減りません。急激にオイルが減ってきたら、どこかからオイル漏れしていますので、点検と修理が必要になります。

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ドライヤ用部品の役割と不具合

電子ドレンバルブキット(ドライヤ)

ドライヤで分離した水分を排出するバルブです。水分が正常に排出されないと、エアに水分が混ざる原因になります。

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コンデンサ冷却ファン

エアドライヤの冷却ファンです。冷却ファンが作動していないと露点が上がり、圧縮空気を冷却できなくなります。(ドライヤの警報が出ます)

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