メンテナンスの必要性
メンテナンスの全体像
コンプレッサは定期的な整備が必要です。
スクリュコンプレッサの場合、メンテナンスの全体像は以下の通りです。
3年毎の点検の詳細は「部品の役割と不具合」をご確認ください。

自主点検の実施時期について
自主点検は、定期的に実施してください。
定期整備の実施時期は、納入からの期間と運転時間のいずれか早い方を基準に行ってください。
スクロール
1年ごと、あるいは運転時間が2,500時間を経過するごと
スクリュ
1年ごと、あるいは運転時間が4,000時間を経過するごと
クロー
1年ごと、あるいは運転時間が8,000時間を経過するごと
例:
スクロールコンプレッサで、納入から1年6ヶ月で運転時間が5,000時間に到達した場合、2年目の定期整備を実施します。
スクリュコンプレッサで、納入から1年6ヶ月で運転時間が8,000時間に到達した場合、2年目の定期整備を実施します。
MTBFとMTTR
稼働率とは、機械やシステムが稼働しているか時間の割合を示します。稼働率が高い場合、それは機械が故障する頻度が低く、修理にかかる時間が少ないことを意味します。つまり、機械が正常に動作している時間の長さを反映します。稼働率を計算する際に使用する時間の指標が「MTBF」「MTTR」の2つです。

MTBF(Mean Time Between Failure)=平均故障間隔(≒正常に稼働している時間)
MTTR(Mean Time To Repair)=平均復旧時間(≒正常に稼働していない時間)
MTBFとMTTRは、設備やシステムの信頼性と保守性を示す指標です。
MTBFはどのくらいの期間に一回故障が起きているかを示します。裏返せば故障せずに稼働し続けることができた時間の平均とも言えます。 MTBFが長いほど、その設備の信頼性は高くなります。
MTTRは故障してから修復が完了し、再び正常に稼働し始めるまでにかかる時間の平均です。この時間が短いほど設備の保守性が高く、ダウンタイムが少なく抑えられていることになります。
設備の故障が原因で発生するダウンタイムは計画外のものであり、予測できない時期に生産設備が停まり、製品の製造ができなくなってしまったことを示します。計画外ダウンタイムによって生じる工場の損失は莫大なもので、代表的な損失は以下の…
- 得られたはずの売上が入ってこないという機会損失
- 損失をカバーするための人件費(残業代)、電気代などのコストが増大
- ブランド(企業)イメージの低下
突発的な故障による計画外ダウンタイムの削減は、生産性の向上やコストの削減を目指す上でとても大切なことなのです。